税務運営方針が示す                  税務調査の目的と税務調査対象者の選定基準

税務調査五輪の書 抜粋
2 税務運営方針が示す                  
税務調査の目的と税務調査対象者の選定基準

(1)税務運営の基本的な考え方

租税は国民が生活を営んでいく上で必要な公共経費に充てるため、
各自が負担するもので ある。

税務行政の使命は、

「税法を適正に執行し、租税収入を円滑にすることにあるが、

納税者のすべてがこのような租税の意義 を認識し、

適正な申告と納税を行うことにより、

自主的に納税義務を遂行するようにするこ とである。

税務運営においては、この課題の達成を究極の目標として、
その基盤を着実に築き上げてい くことを基本としなければならない。」
とし、次の3本柱が掲げられている。

イ) 納税者が自ら進んで適正な申告と納税を行うような態勢にすること
ロ) 適正な課税の実現に努力すること
ハ) 綱紀を正し、明るく、能率的な職場をつくること


(2)税務調査の目的
税務調査の目的は、
上記ロの「適正な課税の実現に努力すること」の中に明示されており、
その内容は、

「国民の納税道義を高め、適正な自主申告と納税を期待するには、

同じような立場にある納税者はすべて同じように

適正に納税義務を果たすということの保証が必要である。

 このため、申告が適正でない納税者については、

的確な調査を行って確実にその誤りを是正することに努め、

特に悪質な脱税に対しては、厳正な措置をとるものとする。」

と基本方針が定められている。
 
 
(3)調査対象者の選定基準  
申告が適正でない納税者の選定基準として、

直税共通編には、「調査は納税者の質的要素を加味した上、

高額なものから優先的に、また、

悪質な脱漏所得を有すると認められる者及び

好況業種等重点業種に属するものから優先的に行うこととする。

 このため、調査の件数、増差割合等にとらわれることなく、

納税者の実態に応じた調査日数を配分するなど、

機動的、弾力的業務管理を行うよう留意する。」とし、

各税編において、  
イ) 所得税関係では、「高額中心」  
ロ) 法人税関係では、
「大口、悪質な不正を行っている法人
又は不正計算を繰り返している法人」
ハ) 資産税関係では、
「脱漏税額の大きいと認められるもの」
ニ) 調査課関係では、
「取引の内容を解明してその実態を把握すること」
  「特に、大口悪質な不正所得の発見に重点を置く」
ホ) 査察部関係では、
「真に社会的非難に値する悪質かつ大口な脱税の摘発に努める」  
へ) 資料情報関係では、
「調査ポイントの抽出に役立つ資料情報、特に、活用効果の高い
  ものを重点的に収集すること。」
と調査対象者選定の方向性を示している。

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